片言(カタコト)の英語で仕事が出来ないと思うのは勘違いです。
仕事現場ではシンプルな片言英語が有利です。グローバルビジネスに関わる人々は英語を母国語としない人、つまり非ネイティブが多い。日本人と同じで、英語の勉強が嫌いな人も多いんです。
実は、カタコト英語は非ネイティブに歓迎されている側面もあります。
私は20年以上、外資系で働いており、片言英語で駐在やプロジェクトマネージャーを経験し、カタコト英語の有用性を身をもって理解しています。
この記事では、このブログのメインメッセージでもある、「片言英語は通じる」ことをお伝えできればと思いますので、最後までお付き合いください。
片言英語(カタコト英語)とは
片言英語とは、文法的に不完全な英語、または使われている単語が初歩的な英語を指します。このような英語は、ネイティブスピーカーにとっては、幼児が話しているように感じる、そんな英語です。
ビジネスでも片言英語は十分通じる
相手も外国人
ビジネスの場では、仕事相手がすべてネイティブスピーカーであるケースは稀です。外資系企業、たとえ英米企業でも、全社員が英語のネイティブというわけではありません。彼らもまた外国人であり、私たちと同様に英語が得意でない場合も多い。そのような人たちは、英語の習得に苦労していて、片言英語にも理解を示してくれることが一般的です。
カタコト英語の方がなぜか通じる
片言英語の方が通じる場合があります。特に英語が得意でない外国人社員は、日本人同士の英語会話と同様に、片言英語などのシンプルな英語のほうが理解しやすい場合があります。ネイティブスピーカーとの会話では、慣用句や高度な単語、複雑な文法が使われることがあるため、理解が難しくなる場合もあります。しかし、非ネイティブ同士の会話では、シンプルで直訳的な英語が通じやすいのです。
私自身も、以前スイス人から「君の英語はシンプルで分かりやすい」と言われた経験があります。それは、私が片言英語を身に付けて間もない頃、仕事でやっと英語を使えるようになってきた頃で、英会話に自信がないときでした。
ビジネス現場では相手の協力があるので通じる
ビジネスの現場では、英語が通じないと仕事になりません。相手も私たちの言ってることがわからないと仕事にならないため、必死で理解しようとしてくれます。
またビジネスで非ネイティブと付き合う人たちは、片言英語に慣れているため、こちらの言うことを予想して会話をしてくれるのです。
「この場面なら、こういうことを言っているんだろうなぁ」と言うふうに予想して会話をしてくれるわけです。
また、仕事の現場では話している内容が限定的。相手が何についてしゃべっているかわかっているため、お互いに言葉を予測するのは容易なんです。
ですので大きく発音が外れていても、相手が理解できないことはほとんどありません。
片言英語は海外旅行で通じる?使える場面と注意点
海外旅行でもカタコト英語は使えます。
仕事場面と比べれば、話題が様々で予測しにくいので、通じにくい場面は増えますが、空港やホテル、観光客が多い都会の売店などは通じる確率が高いと思って良いでしょう。話題がある程度決まっており、相手の話す内容が、お互い容易に予測できる場所なら通じます。
片言英語が通じるシチュエーション
仕事現場以外でも、観光地や空港、ホテルなどの多国籍な人々が集まる場所。従業員も多様な言語での対応に慣れているため、片言英語でも意志の疎通が可能です。
- 空港: チケットの購入や荷物の受け取りなど、基本的なフレーズがあれば十分。
- ホテル: チェックイン、チェックアウト、部屋の指定なども基本的な英語で対応可能。
- 観光地の売店: 言葉よりも商品を指で示すことで、買い物ができます。
多くの観光地や交通の要所では、基本的な英語は理解されることが多いです。これは以下のような理由からです。
- インターナショナルな場所: 世界中から人が集まる場所では、英語が共通のコミュニケーション手段とされています。例:空港でのチケット購入、ホテルでのチェックイン。
- 状況が限られる: 質問や要望もその場所特有のものに限られるため、用意されたフレーズで対応できます。例:レストランでの注文、タクシーでの行き先指定。
片言英語が通じない場面
一方、田舎や地元の小さな店など、外国人慣れしていない場所では、片言英語が通じにくい場面が増えます。
- 発音: 日本人特有の発音が原因で、言っていることが理解されにくい。
- 語彙力: 知らない単語やフレーズが出てくると、即座に対応できない。
同僚はアメリカにある田舎町のハンバーガーショップで英語が通じず、無視されたなんて言ってました。私もイギリスにある田舎町のスーパーマーケットで英語が全く聞き取れず、私が何回も言い直して、やっとの思いで注文したこともありました。
片言英語が相手に与える印象
さて、我々が話す片言英語は、相手にどのように聞こえるでしょうか。
下手な英語は失礼ですか?
逆の立場で考えてみましょう。例えば、日本に初めて来た外国人がレストランで「それ、橋、取った」と言ったら、多くの人は、箸を渡しながら「お、頑張って日本語しゃべってるんだ」と思うでしょう。このように、片言でも、外国語を使う努力を評価してくれる人は多いのです。
特に、日本人は英語に消極的だと一般的に考えられているため、少しでも英語を話すことで好印象を与えることが多いです。
片言英語を恥ずかしいと考えるのは誤解です
YouTubeやテレビ番組で、不完全な英語を皮肉る動画が多いのは事実です。しかし、それはエンターテイメントとして制作されており、ビジネスの現場で真剣に受け止めるべきではありません。
実際に恥ずかしいとされるべきは、仕事のパフォーマンスが低い時だけ。英語が不得意でも、成果を出せているなら堂々としてれば良いのです。
ビジネスの目的は最終的に利益を生むことですから、その目標が達成されれば、英語の文法や発音に問題があっても誰も問題視しません。
「片言の英語でごめんなさい」と謝る必要なし
仕事現場で片言英語を使われて迷惑している、なんてことはありません。
あなたが身に付けた豊富な経験を、頑張って英語に変換して伝えてやってるんです。そのくらいの気持ちでいきましょう。
どうしても、申し訳ない気持ちを伝えないと落ち着かないなら
I hope you understand my English, because I’m not good at English.
と言ってみて下さい。前半か後半、どちらか片方でも通じます。これなら覚えやすいし、言いやすいかと思います。
相手は、必ず No problem とか言ってきます。時には Your English is very good. とかお世辞?も行ってきます。気にしていないんです。
これで、自分の気持ちは結構楽になるでしょう。
ビジネスの場では、相手の英語レベルなんて誰も気にしていません。片言の英語を謝る必要はないのです。
「そんな言い訳してる間に仕事しろ」。そう思われてると理解していきましょう。
カタカナ英語でも通じるが、限界も理解しよう
カタカナ英語とは/なぜカタカナ英語を使う?
カタカナ英語とは、日本語のカタカナの発音そのままで英語をしゃべることです。(別の意味として、日本語会話の中で、英単語を多用する喋り方を指す場合もあります。)
なぜカタカナ英語を使ってしまうのでしょうか? 「日本人らしくない発音で話すと、周りから変な目で見られるので恥ずかしい」と感じることが多いからと考えられます。
このような場面は、主に日本人が複数居る英語コミュニケーションで見られます。自分よりも英語が得意な人に対して、出る杭を打つような嫉妬心が働く場合もあるでしょう。
仕事の場では、何よりもタスクを進めることが最優先です。先輩よりも英語を使う勇気があるなら、積極的に英語で意見を述べるべきです。
日系企業では忖度が必要かもしれませんが、国際ビジネスを目指す人は、意識的にその辺を変えていきましょう。
とくに外資系の場合は、上下関係がフラットですので気にする必要はありません。
無理な発音の模倣は不要、でもカタカナ発音もほどほどに
英語の発音を極端に模倣する必要はありませんが、それと同時に無理なカタカナ発音で話すのも避けるべきです。自分のなかで無理がない、自然な発音でコミュニケーションを取りましょう。
恥ずかしがってカタカナ発音をすると、余計に通じないのでやめましょう。
実際の場面での発音の重要性
仕事や旅行先でのコミュニケーション、相手が努力して理解しようとしてくれる場合は、自分自身が信じる発音で十分に通じます。大事なのは、恥ずかしさを捨て、自分の言いたいことをしっかりと伝える勇気を持つことです。
カタカナ英語は一定の場面で有用ですが、その限界も理解し、英会話力の向上に努力、片言英語やその上を目指していきましょう。
ブロークンイングリッシュも仕事で通じる
ブロークンイングリッシュとは、文法が間違っていて、単語の使い方もベストではない英語のことです。片言英語とほとんど同じ意味・同じ英語レベル。
片言英語と同じく、ブロークンイングリッシュも恥ずかしがらずに仕事で使っていきましょう。
ブロークンイングリッシュ(broken English)の活用方法は片言英語と同じ。当ブログを読んで、中学英語レベルで良いから、仕事で英語を使いたいと思っている方は、ブロークンイングリッシュ=片言英語、と考えて学習・トレーニングを進めて下さい。細かい事を気にする必要はありません。
ただし、主語無しで名詞を並べるだけの英語は流石に限界があります。文章レベルの英語脳もシンプルに身に付けられるので、単語レベルの英語脳が身に付いたら続いてトレーニングを進めましょう。
片言英語が通じないとき、おすすめの方法
自分の片言英語が通じない時、どうしても萎縮しがちですが、意外と簡単な方法で通じるようになります。
はっきりとした大声で、同じ文章を再度言う
相手に「what?」と聞かれたとしても、それは怒っているのではなく、「今なんて言ったの?と聞かれているだけです。日本人は声が小さい傾向があるので、相手に聞こえにくい可能性が高い。そのため、もう一度、はっきりと大きな声で、同じフレーズを言い直してみてください。違う言い方を考えると余計に焦ります。
違う単語や表現を試す
2~3回同じ文章を言っても、伝えたい内容が相手に理解されない場合、単語や言い回しを変えてみてください。
違う単語を使うか、もしくは言い回しを変える、シチュエーションを語ってみる、などして工夫すると、相手も想像を働かせ通じることがあります。
「apple」が通じなかったら、「赤い丸いフルーツ、このくらいの大きさ」と言ってみる感じ。
単語単位で説明する
余計な文法が邪魔をして、相手に伝わらない場合があります。そういった場合、単語だけでシンプルに説明する方法もあります。
ボディーランゲージを使う
言葉だけではなく、身振り手振りも有効です。特に街中で話す場合や、現場でコミュニケーションを取る場合、ボディーランゲージが非常に役立ちます。
図や絵を描く
何かを説明する場合や質問する場合、図や絵を描くと非常に効果的です。そのため、カバンに小さなノートとペンを常備すると良いでしょう。
私は田舎町で道に迷ったとき、ノートとペンが役にたちました
資料を提示する
特に会議でのコミュニケーションでは、資料を見せることでスムーズに進行する場合が多いです。
メールを送る
口頭での説明だけでは、双方が理解していると思っているだけで、実際はそうでない場合があります。片言英語で自信がないうちは、確認のためにメールを送ると良いでしょう。
相手からメールを送ってもらう
話している時、相手が何を言っているのか理解できなかった場合、「確認のためにメールを送ってね」と伝えましょう。
自分で理解できなくても、そのメールを日本人の同僚に見せ対策することができます。慣れないうちは解ったつもりでも、相手に確認のメールを送ってもらいましょう。これはウェブ会議の後も有効です。
WEB会議でフォローする
立ち話や現場で話した場合、メールで確認をするのですが、それに加えてフォローをTeamsなどのウェブ会議で開催すると取りこぼしがなくなります。お互いの理解内容を確認し、新たな疑問が湧いている場合もあるので、有効な手段となります。
以上が、片言英語で不安があるときに役立つ対処法です。これらを使って、コミュニケーションを確実なものにして下さい。
もっと通じるために:片言英語と何が必要か
単語力の向上
片言英語から脱却する一歩として、語彙力の充実が不可欠です。一般的には受験英語のような、単語帳を使用して語彙力を高める方法が知られていますが、実際のビジネスの場では時間の無駄です。日常業務でよく使う専門用語や、ビジネスで頻出するフレーズを重点的に覚えることで、より効率的に英語のコミュニケーション能力を向上させることができます。
反射的に英語で応える能力
仕事の会話では、滞りなく発言することが重要です。日本語を英語に単純に翻訳するのではなく、英語で素早く、かつ正確に反応できる能力が求められます。この能力を高めるトレーニング方法としては、日常的な会話のシミュレーションやビジネスでよく使う単語・フレーズを繰り返し、慣れるまで一人で話す練習が有効です。
特に、日本語を通さないで英語を話す能力、いわゆる英語脳は必須。
当ブログでは、英語脳を半年で作るトレーニング方法について詳しく解説していますので、そちらの記事も、是非参考にしていただきたいと思います。
中学校英語の復習
中学校や高校での英語教育が全く無駄だったわけではありません。基本的な文法や語彙はそのまま活用できます。
しかし、受験英語を勉強しているうちに、苦手意識が生まれている可能性が有ります。テストで、ささいな間違いで減点されて、嫌になった人も多いと思います。
このような過去の経験を忘れ、再度、中学校レベルの英文法を復習することも有益です。
私も英語の「勉強」が嫌いでした。片言の英会話は「トレーニング」で習得できる、と知った時は、びっくりでした。
以上が、片言英語を身に付けつつ、次のステップに進むための三つの要点です。ビジネスの現場で即戦力となる英語力を身につけるためには、これらのポイントが非常に有効です。
効果的な片言英語の活用方法
相手の反応を見る
片言英語を使う場合、相手の反応をよく観察しましょう。相手が理解できているか、何か問題があるかどうかを見極めることが重要です。
シンプルな言葉で要点をまとめる
会話が複雑になった場合、要点をシンプルな言葉でロジカルに伝えることが有用です。これにより、相手が完全に理解しているか確認できます。
英語力が低い分、ロジカルシンキングを意識し、理論的に分かりやすく伝える努力をしましょう。
繰り返し練習する
英語力を高めるには繰り返し練習が不可欠です。片言英語でも、同じフレーズや表現を何度も練習すれば自然とスムーズに話せるようになります。
片言英語を、英会話独学の入口として活用しましょう。
一人でも繰り返し練習できる秘訣を別ページで解説しています。
まとめ:片言英語でも通じる・恥は捨て、気にせずいこう!!
このページでは以下の内容をお伝えしました。
- ビジネスも片言英語で十分通じる
- 片言英語の方がなぜか通じる
- 恥ずかしがり屋が最大の敵
- 誰でも最初は片言英語
- ビジネス現場では相手の協力がある
- 片言英語は海外旅行でも使える
- 片言英語が通じないときは工夫次第で乗り切れる
片言英語は、完璧な英語が話せない状況で非常に有用なコミュニケーションツールとなります。注意点や効果的な活用方法を理解して、ビジネスの場でも積極的に活用してください。必ず通じるはずです。
そして、その経験とトレーニングを繰り返すことで、自然と英語力も向上していくでしょう。
片言英語+英語脳のトレーニング手順を5STEPに分解し、他の記事で詳しく説明してますので参考にしてみてください。
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